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文 Tube 「初心忘るべからず」

本題に入る前に「コロナショック」ついて少し触れたい。

 

コロナショックとは、新型コロナウイルス感染症の

感染拡大に伴う世界的な株暴落の通称であるが、

同時に感染症が社会経済にもたらした経済的打撃や

景気悪化の総称をも意味する。

この要因として挙げられるのは、感染拡大を恐れ、

各都市が経済活動を停止したことで、経済の悪化に

繋がったことが大きい。

 

都心部は「ロックダウン」つまり「都市機能の一時停止」

まで追い込まれたが「緊急事態宣言」に基づき

「徐行運転」ではあったが国全体が動いていった。

 

観光業、飲食業は大変だった。

県外への渡航つまり旅行や移動が制限され、

飲食店への入店人数、営業時間、メニュー制限など

緊急事態宣言が発動されるたびに

対応に追われた。

 

コミュニケーションのあり方も大きく変わった。

人が集まり楽しむ娯楽だけでなく冠婚葬祭という

「無くては成らない」儀式も「縮小」ではなく

「自粛」が続き、やがて意識は「無くても平気」と

端折られることも。

なぜか「中元歳暮」「年賀状」までが

その「とばっちり」を受けた。

 

人が集まることの「自粛」だけでなく

人と人との「個」の関わりが「希薄」になっていった。

「人様の御心」を形とし、

御心と御心とを通い合わせる「お手伝い」を

させていただいている我々の業界としては

とても残念な出来事だ。

 

 

しかし悪いことだけではない。時間をもてあます

「巣籠り」によってSNSの普及が一気に広がり、

ヘビーユーザーといえる若年層の世代はもちろん、

その上の世代のユーザーもその機能に馴染み、

挙って投稿を楽しむようになった。

 

このSNSの普及により情報を発信するスピード、

キャッチするスピード、活かすスピードが上がった。

今まで「口コミ」だけでしか広がらなかった

「馴染みの店」がこの情報発信によって瞬時に

「全国区に」という事例も少なくない。

 

菓子業界ではそんなSNSが起こしたちょっとした

ブームがある。

 

SNSの普及により菓子の製造方法や飾りつけなど、

特殊な技術が情報として公開されるようになった。

そのため未経験者を含む、個々の技術が向上し、

独立を試みる小店主が増えた。

 

独立した小店主たちは自己の表現に理解を求め、

店の情報をSNSに投稿する。

「和?」「洋?」「菓子?」「デザート?」

店主はそんなことにとらわれずに自由に表現を楽しむ。

既成の概念にとらわれず自由に

「菓子」いや「スイーツ」を表現し、それを見ている

私自身も「楽しい」し、良い刺激になる。

 

そんな投稿に共感する「フォロワー」は

こぞって情報を楽しみ、やがて「ファン」となり、

信者となる。ファン達はたとえ遠距離であっても

その情報の確認にわざわざ現地を訪れ、

念願叶いショップで思う存分買い物し、

その様子や感想を写真や動画に収め投稿する。

その精度と表現力を競い合って楽しむのである。

 

我々の業界ではそんな「コア」なショップが

増えており、業界全体の売上を揺るがしている。

 

都心部や立地の良い場所でなくては「繁盛しない」

という時代は去った。

また規格大量生産の商品でないと

広く世の中に「浸透しない」という時代も去った。

 

もう我々の菓子に「和」も「洋」もない。お客様は

「スイーツ」というジャンルに分類し、売り手だけが

「和」「洋」という概念に囚われている。

気づいているのか?どうか?わからないが、

売り手側ではなく買い手側の気持ちに

なって考えれば分かることである。

 

個店と個人の価値観の「マッチング」を実現した

SNSが業界の常識を覆してしまった。

いや「覆してくれた」といったほうが好ましい。

 

コロナ前と比べると鈍化した経済とは逆に顧客が嗜好を

切り替えるスピードが早い。

そんな中、菓子業界における改革は必至である。

当然この業界にいる当社も改革は必要である。

 

今年はその改革と変革の「元年」と位置づけ、

会社を動かしていきたいと思っている。

 

私自身はあと10年も会社に残るつもりはない。

未来を見据えて自身の改革も必要と考え、

初心に返って舵取りを行うつもりである。

 

創業時のわくわく、ドキドキした新鮮な気持ち。

そう「初心」という言葉がしっくりきそうである。

 

「初心」に返った私の2023年の「所信」である